海外教育研究所

スタッフ日記

🦘カンガルー便り Vol.29

こんにちは。シドニーより古賀です。

こちらの季節は秋になり、例年、降雨量が増える時期を迎えています。今年も例外なく、先週降り続いた雨とその量の多さにより、シドニーから数時間ほど沿岸を北上するMid North Coast周辺では、洪水で町がいくつか水没している映像がテレビで映し出されています。酪農が盛んな地域でもあるため、スーパーでは乳製品の入荷が滞り、空っぽの棚が目立つようになってきました。シドニーエリアでも連日の雨で屋外でのスポーツはできず、息子たちのサッカー練習や試合もキャンセルの連続です。そんな先週末は、雨を気にせず楽しめるバドミントンをすることに。1時間あたり35ドル程度でコートを借りることができ、気軽に体を動かすことができて良い気分転換になりました。

さて、前回は息子二人の日本語力に危機感を覚え、焦りながら対応していることについて書きました。日本から海を渡って生活するということは、言語面だけが注目されることではありません。むしろ、それは多岐にわたる要素の一つに過ぎないのですが、読んでくださった方の中には、「日本語が母国語で、家でも話している言葉なのにそんなことありえるの?」と純粋に疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身もかつては、特に幼少期に海外に住む機会ができると、何の苦労もなくバイリンガルになれるのではないかと安易に思ってしまっていた一人です。

もちろん、バイリンガルの定義は人それぞれですが、私個人が言語面で息子たちに望む到達点の最低ラインを改めて自分の中で定義してみたところ、それはビジネスで使えるようなレベル感を目指すのではなく、難しい漢字や文章を読み書きできることでもありませんでした。結論としては、それぞれの言葉で自分の深い思考や意見を整理し、アウトプットできるようになってほしいという点に行きつきました。英語習得では学校教育や友人たちとの関わりにおいて、その面を磨く機会は無数にある環境です。しかし日本語においては家庭内での会話だけとなると、意識して深い話題を交わさないと、日本語で考える力が伸びなくなってしまう。そして、将来、日本人としての自分に戸惑うかもしれない——そんな現実的な不安が頭をよぎるようになったのです。同時に、親である私自身や日本の祖父母との会話も、表面的なものに留まってしまう虚しさは、オーストラリアに来た頃には全く想像もしていなかった感情でした。危機感を覚えてからは、意識的に子どもの行動に「なぜ?」と聞いて答えを待ってみたり、少し難解な単語や表現を取り入れたりして、彼らの語彙や表現が薄れていかないための努力を微力ながら意識しています。それからは、メディアなどでもバイリンガルの方を見ると、その背景には親御さんの心の葛藤やバランスを取ることの難しさ、時間や資金的な投資があってこその姿なのだと想像を巡らせています。

もちろん個人差はありますが、息子たちは7歳と4歳という柔軟な時期に英語圏に来たことで、こうした問題に向き合うことになったのだと思います。一方で、弊社から長期で留学するお子様で最も多い年齢層は中学生なのですが、彼らはどうでしょうか。彼らは日本語での会話力や学習の土台をある程度確立させ、読み書きも習得してからの渡航です。中学生から多感な時期に異なる文化や外国語に同時に適応するのは簡単なことではありません。しかし、言語習得という面に限って言えば、彼らは既に母語の基盤が確立しているため、その上で英語力を伸ばしていける強みがあります。多くの生徒さんが1年目で環境に慣れ、2年目には授業でのやり取りがスムーズになり、3年目に入ると着実に成績にも成果が表れるのを見てきました。たまに会う日本人のお友達との会話は、年数が経過しても日本語でのほうが楽だと聞きますし、日本に戻って高校受験や大学受験に臨むため、放課後には日本から持参した教材を用いて自主学習を継続できているお子様も少なくありません。私自身、言語が思考と深く結びついていると感じさせるケースをたくさん見てきたからこそ、小学校時代は、生活や学びの土台となる言語を育て、深く考える力やアイデンティティを築く大切な時期なのだと、改めて実感しています。滞在先でも学校でも英語漬けの数年を暮らしたその子たちが現地の中学校や高校を卒業する年齢になると、とても自然に英語を操ることができるようになっています。

だからこそ、「あきらめてはいけない」と思っています。次男が「アップルをカッて~!」なんて、英語交じりの宇宙語で甘えてきても、思わず笑いつつ「リンゴを切ってあげるね」と冷静に日本語で返す。そんな毎日のささやかな積み重ねこそが、日本語の土台を育て、自分らしさを育む一歩になると信じています。家庭のなかでできることを、これからも工夫しながら続けていきたいと思っています。

 

シドニーに観光に来た際は、ぜひ一度は訪れたいPancake on the Rocksで定番のパンケーキとステーキを堪能!めったにない贅沢なひとときでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・おまけ・・・

オーストラリアの素敵な鳥シリーズ🐦

自宅前の寄せ植えに、ほぼ毎日やってくるRainbow Lorikeet(ゴシキセイガイインコ)。鮮やかな色が目を楽しませてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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