🦘カンガルー便り Vol.27
こんにちは。
シドニーより古賀です。
日本では年の瀬に向けて急激に寒さが増しているとのこと。一方、南半球のこちらシドニーでは真夏に向かい、40度近くを記録する日も増えてきました。今週いっぱいでNSW州の学校は学年度末を迎え、来週から2月初めまでの約7週間にわたる長い夏休みに入ります。
我が家では今年、長男の小学校卒業という大きな節目を迎えました。2年生のときに日本から転校して以来5年間お世話になった学校や先生方とのお別れです。卒業に向けた取り組みは年度内から始まり、卒業生全員の名前がプリントされたオリジナルポロシャツ、親が中心となって製作するイヤーブック(卒業アルバム)、お友達や先生からサインをもらう記念テディベアなど、どれもこちらの学校で伝統的に行われているものばかりです。
クライマックスとなる最終週に実施された学校主催のパーティは、学内のホール(体育館)で実施されることもあるようですが、今年は近くのレストランのホールを貸し切り、夕方から夜にかけて開催されました。当日の夕食はコース料理が提供され、華やかな装飾が施された会場には、スマートカジュアルのドレスコードで集まった生徒たちを、同じく華やかな装いをした先生方が迎えお祝いしてくださいました。このイベントでの親の役割は送り迎えのみで、主役は生徒たちです。学校を飛び出して行われる非日常的な機会を、息子も以前からとても楽しみにしていました。
そして最終日の午前中に2時間かけて実施された卒業式は親も招待され、ホールで卒業証書の授与、国歌斉唱、校歌斉唱、そして写真撮影タイムと、日本の卒業式と変わらない光景でした。日本の雰囲気と異なる点としては、生徒たちは制服の子もいれば体操服の子もおり、親も普段着の方や少しフォーマルな装いの方が混在していて、形式ばった雰囲気がない空間でした。子どもたちは、事前に先生からシャツをズボンに入れるように言われていたようです。息子はシャツの裾をもぞもぞとズボンに入れながら壇上に上がるという、なんとも不格好でありながら彼らしい姿を見せてくれました。
そんなリラックスした雰囲気の中でも、長男が名前を呼ばれて校長先生から証書を受け取り話しかけられている様子を見たとき、そして先生が親全員に起立を促し「あなたたちはこんなに立派な子どもたちを育てあげましたよ。親として誇りをもってください。みんなで大きな拍手を送りましょう。」とおっしゃり、子どもたちが親に向かって大きな拍手をしてくれた時には、子育ての節目を実感し目頭が熱くなりました。
日本から離れて5年目を迎えた子どもたちは、ここ1年ほどの間に兄弟間の会話が英語に取って代わってしまいました。正直なところ到着当初は全く想像すらできなかったことで、戸惑いを感じています。英語力向上が課題だった時期とは逆に、今は日本語力維持がテーマになりつつあります。そうした我が家の試行錯誤については、次回以降触れたいと思います。それでも、ここまで現地の生活に馴染み楽しんでいることはありがたく嬉しい限りです。
弊社の生徒の皆さんも、年末年始を家族と過ごすため続々と帰国されています。束の間の休暇で家族と英気を養い、改めて留学先に戻られます。インターネットによるコミュニケーションが便利になったとはいえ、飛行機で数時間かけて移動し、留学生活を続ける皆さんの勇気と行動力、そして環境に馴染む柔軟な心は本当に素晴らしいと感じます。