海外教育研究所

スタッフ日記

🦘カンガルー便り Vol.6

こんにちは。シドニーの古賀です。
9月に入り日中の最高気温が20度を超えることも多くなりました。朝晩はまだ冷えますが、晴れている日は肌に刺さる日差しが痛い程です。そして暖かくなるにつれ、むかでやコオロギのような虫が、堂々と家の中までウロウロしはじめます。シドニーは都会にも関わらず至るところに森と呼べるような緑が沢山残されているからか、日本では見たこともないような虫や鮮やかな色の鳥、木の間を飛び回る小動物を自宅の周辺でよく見かけます。そして虫は少し立て付けの悪い窓やドアの隙間をかいくぐって入ってきてしまうという、オーストラリアあるあるのようです。

実は先月の終わり、4歳の次男がこちらの病院に入院しました。
ある日鼻水に始まり咳が出てきたので、これはもしやと思い急いでコロナウィルスの検査に連れていきました。車で15分程の圏内に検査ができる施設が複数あり、今回は最寄りの公園の駐車場を臨時のドライブスルークリニックに仕立てた施設に出向き、車に乗ったまま検査を受けました。こちらではたくさんの既存のクリニックや特設施設でコロナウィルスの検査ができるのですが、NSW州保健当局のサイトで一括管理されていますので最寄り施設がすぐに分かります。また症状がなくても無料で検査をしてくれ、72時間以内にSMSで結果が届きますので、濃厚接触者や公表されているホットスポットを訪れた人などが気軽に検査を受けることができます。コロナウィルスの検査結果が出るまではかかりつけ医に出向くことはできないということでしたが、待つ間も呼吸がしづらそうな様子でしたので救急外来を受診した結果、お医者様の判断で一泊だけ入院ということになりました。コロナウィルスの検査結果は約12時間後の明朝には届き、陰性でした。

こちらの医療制度は日本のように症状ごとに始めから専門医(内科、皮膚科、外科、精神科など)を受診できるのではなく、どのような症状でもまずはGeneral Practitioner(GP)と呼ばれるかかりつけ医が総合医として初期対応をします。その上で専門医の治療が必要と判断される場合のみ紹介状が発行され、患者はそれをもって専門医やより大きな病院(Hospital)を受診できることになります。専門医の予約は数週間~数カ月先でしか取れないこともあり、手術を必要とする人や進行性の病気の方にとってはこの待機期間が何とももどかしいと聞きます。今回の息子のケースのように急患の場合は総合病院にある救急用の窓口に直接出向き、紹介状なしでも200ドル強(約1万6千円)の救急受診料を支払い診てもらうことができます。この費用も日本より相当高いことに驚きましたが、救急車は日本のように無料ではなく200ドル(約1万6千円)~、入院は一泊2,000ドル(約16万円)~、ICUに入ると一泊6,000ドル(約48万円)~と全体的に日本より医療費が高額です。日本とは違った医療システムを目の当たりにし、日本の医療環境がいかに恵まれているかを実感しました。

また治療への向き合い方も大きな違いを感じています。日本では子供の鼻水や咳の症状のため小児科に連れていくと、それぞれの症状に応じた処方薬が出され、お医者様によっては原因が不明でも抗生剤を出してくださるというケースもありました。そのため一度風邪症状で病院にかかると数種類の薬が処方され、子供たちが一日でも早く保育園や学校に戻れるようにとの一心で、苦い薬を嫌がる子供に一生懸命飲ませていました。一方、数カ月前にこちらで同様の症状でGPに診てもらった際、体の状態を診察した後は「しっかり汗をかいて水分をとってね。」とアドバイスをされるのみで、処方箋を出してくれる様子がありません。確認をすると、咳にはスーパーで市販されている薬の名前を教えてくれ、鼻水は無理に止めることはないとのお話しでした。後日別の症状で受診をした際にも同じような対応であったこと、また地元の方のお話しから、これがこちらのスタンダードなのだと理解しました。それからは、スーパーで常備薬になる薬を購入し、自然治癒力を信じ、よほどの状態でない限りは一回の診察料が70~100ドルかかるGPにわざわざ診てもらうことはないだろうと思っています。これら医療費は加入している保険により一部または全額補償されるのですが、日本の健康保険のように基本的にどの科を受診しても一律割合負担というものではないようですので、受診前に情報を得ておくことが大切なようです。

病室での夕食

病室のベッド

 

 

 

 

 

 

私ども海外教育研究所を通して留学をされる生徒様も留学中に体調不良に陥り、学校やホストファミリーから報告が入ることがあります。日本で報告を受ける親御様にとっては異国の地でのお子様の体調不良ほど気が落ち着かないことはありません。親御様は一刻も早くお医者様に診てもらい適切な医療処置を受けることを希望される一方で、現地側では「発熱には水分を多めに摂り、のどの痛みには蜂蜜を入れたお湯を飲んで家で療養をして様子をみる」といったケースに何度も出会いました。もちろん注意深く看病してくださるホストファミリーや寮スタッフの存在があることが大前提ではありますが、実際にお子様の顔色や体温を確認することができない親御様にとっては、この対応の温度差に不安を感じずにはいられなくて当然です。留学はまさに『郷に入っては郷に従え』を試されることの連続ですので、どっしりと構えて物事を柔軟に受け入れ、或いは受け流していくスキルが養われる素晴らしいチャンスではあるのですが、こと医療面・健康面に関しては、留学する本人のみならず親御様にとっても覚悟を強いられる場面であることを痛感しています。

次男はすっかり回復し、相変わらず楽しそうに幼稚園に通っています。昨日、「オーストラリアに来て一番楽しいことは何?」と質問をすると、「幼稚園!」と嬉しい答えを返してくれました。健康に普通の日常を送ることができるありがたさを感じています。

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