🦘カンガルー便り

🦘カンガルー便り vol. 31|真夏のクリスマスと多文化社会のリアル

こんにちは。シドニーから古賀です。

2025年も師走を迎え、残すところあと半月となりました。 海外教育研究所では現在、来年の夏休み(サマースクール)留学の受付を開始しており、既に満席のプログラムも出ているほどの盛況ぶりです。一方で、現在留学中の生徒さんの多くは一時帰国され、日本でご家族との束の間の時間を満喫されています。

南半球のシドニーは夏本番を迎え、35度を超える日も出てきました。子どもたちは来週から約6週間の長い夏休みに入り、休みが明けると新学年です。

🎵 「第3のコミュニティ」としての教会の役割

先日、知人に誘われクリスマスコンサートを鑑賞してきました。 主催はオーストラリア全土に展開する大きな教会で、プロとして活躍するシンガーやグループによる演奏は圧巻でした。観客は信者に限らず、若いグループや家族連れなどで満席。キャンセル待ちの列ができるほどの人気ぶりでした。

当教会は、各地にあるチャーチを「キャンパス」と呼び、今回のコンサートに象徴されるように音楽を通して所属意識を醸成しているのだそうです。いわゆる説教も厳かなものから、牧師でありながら人気MCのように場を盛り上げるようなスタイルまで様々。

家族や学校に次いで、「第三のコミュニティ」に所属し、そこでの仲間づくり、音楽を通しての高め合いができる場所になっているのだと感じました。私自身はこちらのチャーチに足を踏み入れたことがありませんので、今回のコンサートに参加し会場で盛り上げる多くの人たちを見渡しながら、こちらオーストラリアで教会や宗教コミュニティが果たす役割について少し考える機会にもなりました。

🌏 移民社会を支える草の根の英語クラス

もう一つ面白いと思ったことは、私が住んでいる周辺にも教会は至る所にあり、移民が多く居住する地域でもあるため、中国系、韓国系の教会も全く珍しくありません。

周辺にある大小様々な教会では、移民向けの英語クラスを週に一回一時間ほど開催しています。 先生はボランティア、基本的には安価なレッスン料(お茶代程度)で参加することができるもので、こちらも信者であるかどうかは問わず誰もが参加することができます。英語力向上の目的はもちろんのこと、そこもまた、例えば高齢で孫の面倒を見るために移民してきているおじいちゃんおばあちゃん世代の方々がコミュニティのひとつとして参加されていると聞きました。

日本の公民館や地域センターのような公的機関ではないものの、役割としては似通った部分があると感じ、宗教団体が地域に溶け込んでいる社会であることを改めて感じました。

🤝 多様性の中で「たくましく生きる力」を

シドニーは活気あふれる美しい街ですが、人が集まる場所では時に、社会が抱える課題や痛ましい出来事に直面することもあります。先週末にもボンダイビーチ周辺でニュースになる出来事がありました。

しかし、そうした現実も含めて「世界を知る」ということなのかもしれません。 統計によると、オーストラリアで生活する人々の約50%は外国生まれか、親のどちらかが外国生まれ、つまり移民や移民二世だそうです。シドニーではその割合はもっと高く、様々な人種や宗教の人たちが、自分たちのルーツを大切にしながら、同時に一つの社会の中で共存しようと努力を続けています。

悲しいニュースもありますが、私はこの多様なシドニーでの生活を有意義に感じています。 子どもたちには、綺麗事だけではないこの環境の中で、ポジティブにネットワークを築く力(=生き抜く力)を養ってほしいと願っています。

大人になるとなかなか広がらない自分の交友関係にヤキモキしつつ、軽やかに、カラフルに世界を広げていく子どもたちの姿を頼もしく見守っています。

近所の図書館には日本のマンガの英語版がたくさん並びます。ワンピース、呪術廻旋、ドラゴンボールなどなど

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